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=第一夜 参章= 【蝶蜂】 |
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≪24:15 保土ヶ谷バイパス≫
金曜の夜だけあって多数のパイロンが無秩序に存在している。
舞うが如くスラロームする2台のチューンド。お互いに信用していなければ出来ぬ縫い方。
200km内外のSpeedだが、それでもA氏にとっては流しているに過ぎない速度。
途中それらしい33Rが抜かれた後に追ってくるが・・・数秒後には、後方の光渦に呑まれていく。
その後も、背後につこうとする車は何台かいたがどれも同じ結果であり、A氏に至っては後方から来ている事すら気づいていない様子であった。
後ろについて走ると良く判るが、A氏の抜き方は見ていて全く危険を感じない。
もちろん基準が人それぞれ違う上に、車の性能も格段に上がっているが、それにしても縦の加速と横のレーンチェンジが縦横に組み合わさり、且つリズムを崩さない走りには溜め息が漏れる。
『
強敵・・・』
狩場出口を左に見て、数秒後にZのウインカーが左に点滅、一旦減速し料金を支払う。
前方でA氏が料金を支払っている5、6秒以内に愛機の全てのメーターを確認、状態を把握する。
生憎今夜は冷えている・・各温度はそれほど上がっていない。安堵からか悠長に財布から料金を探す。
そして払おうと手を伸ばした瞬間・・・
前方のトンネルで猛々しい咆哮が反響!!
と思ってみた時にはBodyを左右に振りながら前方へ小さくなって行くZをなんとか確認する事が出来た。
すぐさま右手はウインドウを上げるスイッチに、左手は1速に、ステアリングはクラッチを繋いだ後の左ひざで足を上げて固定し加速!
瞬時にレッド!
2速も瞬時にレッド!!
やっとウインドウが閉まり、3速、車体が左右に振られ続けてレッド!!!
4速・・・・捕らえた。
正確には前方が数台で詰まっていた為のZの失速であったが、とにかく捕らえた。
熱くなる体とは対照的に頭は冷静になってきている。湾岸線分岐で右に折れる。
前方には1台の軽バン・・・もどかしい。
そして合流と同時にZは前に飛び出す!!Supraも続く。加速ではSupraが上。
アクセルをこれ以上開けたら追突する・・微妙に調整する。左からは抜けない。考えている事は一つ。
『・・・・抜く!!』
Zの後に張り付いたまま、ベイ橋に入る左カーブが目の前に迫る。前方には左車線に1台の乗用車。
右車線、カーブ外側のみ空いている。2台の獣が250km近くで、縦に接近したまま飛び込む。
息の掛りそうな至近距離でZのブレーキランプが灯くのを待つ。
『
・・・待つ・・・待・・・ま、まだか?!!!!』
先にSupraが踏んだ。
ほんの一瞬であったが、Zが遅れて踏み1台分前に出た。
そのままコーナーに入り、A氏のZは常人では信じられないSpeedで踏んでいく。
『なんというコーナーリングだ・・・』
超高速からの減速、前荷重を残したままのステアリングワーク・・・。
そして何よりも1トン以上もある鉄の塊を自由自在に操る能力と精神力。
なんとか離されないよう、1台分はkeepしたままであったが、遠心力と摩擦に耐えられなくなったTireが外へ壁へとSupraを誘う。途端に訪れる恐怖・・・、そして自分に言い聞かせる。
『耐える・・・、耐えろ!!!』
コーナーを抜け、ベイ橋に入りZは運悪く進路を妨害され、
運良く1台分後ろだったSupraだけがクリアラインを確保しそのまま大黒PAに入る。
勝負つかず・・いや、あのままZが行けたら・・・・・。
頭では判っている。
≪To be continued...≫ |
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